「AIとBIはいかに人間を変えるのか」(NewsPick Book)波頭亮著 2018年
第1章:AI~人工知能とは
①AIとは~AIの発展の歴史
②AIと人間
第2章:ベーシック・インカム(BI)の仕組みと効力
①BIの仕組みとメリット
②BIの実現可能性
③民主主義、資本主義とBI
第3章:AI+BIの社会で人間はどう生きるのか
①AIとBIが導く ” 新しいステージ ”
②AI+BIの社会で人間はどう生きるのか
Kindle Unlimitedのお薦めとして表示されていた書籍。AIとBI。その2つがどのように関連づけられ、結論づけられるのか興味を持ったので即ポチっ。第1章と第2章はさっと読み、第3章はじっくりと。
読み終えて自分なりに整理してみたことは、、、
AIの発達に伴い、人間が行っている業務のうちAIが得意とする業務は、その多くをAIが担うようになる日がやってくるでしょう。結果として、望むと望まざるとに限らず、人間は多くの時間を手にすることになります。
さらにBIという要素が加われば、生きるために働くことから解放され、それ以外の活動に時間を費やせるようになります。いやむしろ、それ以外の活動に「自らが能動的かつ積極的に」時間を投入していかなければ、自分自身を維持することができなくなるでしょう。
AIとBIの世界で求められる資質は、「やりたいことを見出す能力」や「人生を楽しく豊かにするモノコトを探究できる能力」。
また、その世界で自らの能力を思い存分に活用して得られる報酬はお金ではない。
自分にとって、やりたいことができること。
自分の気持ちがワクワク楽しくなること。
自分が豊かだと感じる人生を進めること。
これら自体が報酬となる。
ただし、このユートピア的な世界の実現のために乗り越えなければならない壁はかなり高い。
まず、人類が歴史的に保持してきた「働かざる者、食うべからず」という規範を覆し「働かなくても、食ってよし」という規範を確立する必要性。
加えて、BIとは反対側にある社会保障制度を運営維持している主体そのものによる抵抗。
AIとBIの組み合わせによる世界は素晴らしいユートピアであるかもしれないけど、ユートピア実現には相当な時間がかかる。もしくは、永遠に実現できないかもしれない。。。
『人間は太古の昔から絵を描き、物語を紡ぎ、更には科学や芸術を発展させてきた。アルタミラやラスコーの遺跡にみられるように、旧石器時代の人間でも雨が降って狩りができない日には洞窟の中で岩壁に牛や馬の絵を描いて過ごした。新石器時代のメソポタミアでは壮大な物語性を持つ『ギルガメッシュ叙事詩』が作られた。どちらも、現代でも高く評価されるほどの高い芸術性を持つものである。そして、どちらも食うため、生きるために作り出した作品ではない。絵を描きたい、物語を語りたいという内発的創造欲求によって作り出されたものである。人間はこれほど創造的で知的な存在なのである。』
人間に内在する創造性・知性がAIが強くつながり、それが結果としてBIを押し進める原動力になっていくことになるのかな、と思いました。
AIとBIの組み合わせ。あまり考えてみたことはなかったので、ほどよい脳内刺激となりました。これからも飛躍的に進化し続ける分野でもあるため、読後はかなりの脳内疲労を感じますが、関連書籍は定期的に読んでおいた方がよいだろうと思っています。