第1章:新聞はミステリー小説だ
第2章:朝刊紙はキャラごとのベタを楽しめ
第3章:朝刊スポーツ紙は「芸能界の言い分」を読める
第4章:夕刊紙・タブロイド紙は「匂わせた行間」を読め
第5章:新聞は下世話な目線で楽しもう
第6章:ネットの「正論」と「美談」から新聞を守れ
先週紹介したみうらじゅん著「『ない仕事』の作り方」に同じく、この本もKindleの中身を整理していて再発掘しました。
本書「おわりに」の一番最後の文。
「もっとたくさんの視点を受けとめよう。楽しもうではないか。こんな時代こそ、本書が有効だと自負している。2017年2月 プチ鹿島」
2017年2月からちょうど3年。ネット動画やネットニュースがこの世の春を謳歌する一方、テレビ視聴者や新聞購読者の数は着実に減っているし、その流れは続いていくことでしょう。そのような流れにあるからこそ、3年前にプチ鹿島氏が書いている以上にこの本がより有効になっていると思います。
「自分の中の『正義』を疑ってみること。そして、疑うことを『楽しめる』感性が、この息苦しい今の社会に必要とされているのではないだろうか。」
感情や欲望がうごめく人間世界において、〇か×か、白か黒か、正しいか誤りかという基準で100%割りきることができる真実を見つけることは至難の業。その割りきれなさを、どのように自分の中で昇華させていくことができるか。
その糸口の一つが新聞の読み方。新聞から見えてくる政治・経済・社会・スポーツ・芸能など。
それらを野次馬根性で楽しむ姿勢、下世話に楽しむ姿勢。もしかして真実は見つからないかもしれません。でも、そこに新しい発見があるかも、という期待感。
「新聞をまず読んでみる。いろんな考えの新聞がある。一紙を否定する前にまず読み比べてみる。そうすると必ず発見がある。」
ちなみに、プチ鹿島氏は独自・独断目線からいろんな新聞比較行っています。たとえば「毎日新聞」「読売新聞」「朝日新聞」の2015年分の社説をすべて調べ上げ、3社の社説の文中・しめくくりで、多く使われた言葉を順位付けしています。
「毎日新聞」(プチ鹿島氏いわく、書生肌のおじさん)
1位:~すべきだ(すべきである)
2位:~ほしい
3位:~したい
4位:~ならない(なるまい)
独自フレーズ:納得できない、納得がいかない、
「読売新聞」(プチ鹿島氏いわく、ずばり”ナベツネ”)
1位:~すべきだ(すべきである)
2位:~したい
3位:~ならない(なるまい)
4位:必要がある
独自フレーズ:~ではないか、看過できない
「朝日新聞」(プチ鹿島氏いわく、高級な背広を着たプライド高めのおじさん)
1位:~すべきだ
2位:~したい
3位:~ほしい
4位:~ならない(なるまい)
独自フレーズ:~は重い、喫緊の課題である
このように、プチ鹿島氏の独自・独断目線から行われる新聞比較も面白い。読めばあなたの新聞の読み方が少し変わるかもしれません。