「『ない仕事』の作り方」みうらじゅん著

「ない仕事」の作り方 みうらじゅん

「『ない仕事』の作り方」(文春文庫)みうらじゅん著 2015年

 

Kindleに保存されている電子書籍を整理していて再発掘した本。

2015年から5年という年月を重ね、もう一度読んでみました。

 

ゆるキャラ、地獄表、ゴムヘビ、いやげ物、らくがお、仏像、とんまつり、シベ超、、、出てくる出てくる「みうらじゅん氏の世界」。

テレビとは異なった、活字により表現された「みうらじゅん氏の世界」が堪能できる本です。

そしてその世界観を構築している根底の考え方は、私自身が仕事に向き合うときの新しい視点・思考の礎になったり、日常の生活自体を面白く楽しくすることにもつながっていくと思います。

「異才マイワールド」の領域に入り過ぎていて、本のエッセンスをうまく伝えることは私にはできません。私がマーカーした部分を幾つかピックアップして記載しておきます。

ご興味あれば、AIでは絶対に生まれないみうらじゅん氏の極上世界をぜひご堪能ください。

◆私の仕事をざっくり説明すると、ジャンルとして成立していないものや大きな分類はあるけれどまだ区分けされていないものに目をつけて、ひとひねりして新しい名前をつけて、いろいろ仕掛けて、世の中に届けることです。ここ数年ブームが続いている「ゆるキャラ」も、私が名づけてカテゴリー分けをするまでは、そもそも「ない」ものでした。

◆世の中には「触れてはいけない」と勝手に思い込んで、自主規制してしまいがちな世界があります。しかし、伝統を守るのもいいのですが、古い考えに縛られすぎて、いいものが多くの人に伝わるのを邪魔してしまうこともある。その「高い敷居」や「暗黙の了解」といったものを取り除きたい。そんな思いも私の「ない仕事」のモチベーションのひとつになっているのかもしれません。

◆(岡本)太郎さんの名言にはもうひとつ、「なんだこれは!?」というものもあります。何もないところで発しても意味のない言葉です。しかし、自ら作品を作ってから、「なんだこれは!?」と自分で驚く。これが実は、「ない仕事」の本質なのではないかと、私は思います。自分で作り、自分でツッコミ、人が驚き振り返る。要するに「ない仕事」とは、依頼もないのの勝手にやった仕事のことなのです。

◆「自分探し」をしても、何にもならないのです。そんなことをしているひまがあるのなら、徐々に自分のボンノウを消していき、「自分なくし」をするほうが大切です。自分をなくして初めて、何かが見つかるのです。