「心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣」(幻冬舎)長谷部誠著 2011年
第1章 心を整える。
第2章 吸収する。
第3章 絆を深める。
第4章 信頼を得る。
第5章 脳に刻む。
第6章 時間を支配する。
第7章 造像する。
第8章 脱皮する。
第9章 誠を意識する。
最終章 激闘のアジアカップで学んだこと。
自宅本棚にあった長谷部誠選手の書籍を手に取り、再び読みました。
10年ぶりの再会。
10年前のあの時だったからこそ。
今この時期だからこそ。
そんな気もします。
心を整える。
チームや組織を整える。
かつては日本代表のキャプテンとして、今はドイツサッカー1部リーグで活躍する長谷部誠選手の「心を整える」ための習慣。
整える。
内に向かって。
外に向かって。
「誠な」姿勢で向き合う長谷部選手。
時に優しく時に厳しく分かりやすく語りかけてくるような言葉と文章。
真面目さ、謙虚さ、ひたむきさ、真摯さ、ストイックさ、、、じわじわとしっかり伝わってきます。
この書籍が書かれたのは長谷部選手が27歳の時。
そして今彼は37歳。
この10年の変化。
厳しいプロの世界で生きる選手が重ねてきた変化をそうでない人が想像することは難しい。
そして今、長谷部選手はどのように「心を整えている」んだろうか?
あの時と同じだろうか?
少し変化はしたのだろうか?
それとも、変化は大きなものになったんだろうか?
果たして第2弾「心を整える。」が出版される日はやってくるんだろうか?
心を整えながら、少しだけ期待しながら心待ちにしたいと思います。
日本から、フランクフルトでのマコト・ハセベの活躍を応援しながら。
*以下、Wikipediaより抜粋。
2011年(平成23年)3月17日、長谷部は自己啓発書『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』を幻冬舎より出版したが、同月11日には東日本大震災が発生しており、係る激甚災害の被災者を支援するため、長谷部は同書から得られる印税の全額を日本ユニセフに寄付することを決めた。同書は9月までに100万部を売り上げ、スポーツ選手の著書としては初のミリオンセラーとなった。2013年3月のビルト紙によると、売上は140万部を超えており、寄付額も180万ユーロに達している。
*以下、私の読書マーカーより抜粋。
5 マイナス発言は自分を後退させる。
愚痴だけでなく、負のことばはすべて、現状をとらえる力を鈍らせてしまい、自分で自分の心を乱してしまう。心を正しく整えるためにも愚痴は必要ない。
12 先輩に学ぶ。
僕はこの本で、ひとりでいることの大切さ、中立な立場であることの重要さを書いていくけれど、それはひとりよがりになるということではなく、身近な仲間や先輩から、それぞれの良さを積極的に吸収することも忘れないようにしている。
18 集団のバランスや空気を整える。
変化を受け入れなければ進化することはできない。
今後、日本代表や所属チームで誰がキャプテンになろうが、チームを整える存在として僕は全力でサポートするつもりだ。
19 グループ内の潤滑油になる
確かに自分は前へ前へ出ていくタイプじゃないけれど、一人一人のところに行って、情報を伝達したり、共有するのは苦手じゃないかもしれない。これからもチームのために役立てるなら、いつでもグループ内の伝達役になるつもりだ。
26 組織の穴を埋める。
これからも僕は、組織のために足りないものを補える選手であり、組織において不可欠な人間でいたい。そうすれば、たとえ目立たなくてもピッチに立つことができるだろう。
28 競争は、自分の栄養になる
競争は自分を進化させてくれる。
競争は成長にするための栄養のようなもの。楽しいことばかりじゃなく、つらいこともあるけど、逃げず向き合い続ければ身体の隅々までその栄養が行き渡る。
30 運とは口説くもの。
普段からやるべきことに取り組み、万全の準備をしていれば、運が巡ってきたときにつかむことができる。多分、運は誰にでもやってきていて、それを活かせるか、活かせないかは、それぞれの問題なのだと思う。
31 勇気を持って進言すべきときもある。
「判断に迷ったときは、人として正しいかどうかを考えるようにしている」
36 夜の時間をマネージメントする。
「大一番で力を発揮するためにはどうすればいい?」と聞かれるが、僕はそのときに「平穏に夜を過ごし、睡眠をしっかり取る」と答える。寝るという行為は意外と難しい。目をつむっても思い通りに寝つけないことも多々ある。だからこそ、普段から「いい睡眠」をとるために夜の時間を自分自身でマネージメントできているかが鍵になる。
39 音楽の力を活用する。
音楽には不思議な力がある。
僕のそばには常に音楽がある。心を整え、奮い立たせてくれる音楽とともに、これからも戦っていく。
41 常に最悪を想定する。
僕が何が起こっても心が乱れないように、普段から常に「最悪の状況」を想定しておく習慣があるということだ。
44 他人の失敗を、自分の教訓にする
その日その日の愉しみを優先するのではなく、先を見据えることが必要だ。周囲の様子、傾向、失敗を自分に置き換えて、自分の未来を想像することも必要だと思う。「自分だけは大丈夫」。そこに明確な根拠は何もない。
46 変化に対応する
「正解はひとつではない」
持参していた『超訳 ニーチェの言葉』という本だ。ドイツの哲学者ニーチェの名言が収められている。この本をめくっていると、【脱皮して生きていく】という項目が目に飛び込んできた。その説明として、脱皮しないヘ蛇は破滅する。人間も全く同じだ。
考えも、正解も変化していくものだ。僕はその変化に柔軟に対応できる選手でいたい。
47 迷った時こそ、難しい道を選ぶ
しかし僕は知っている。難しい道ほど自分に多くのものをもたらし、新しい世界が目の前に広がることを。
自分に必要だったのは、毎日ヒリヒリするような競争と挑戦であった。
道に迷ったときは、「どちらが難しいか」を考えると同時に、「どちらが得るものが多いか」も考えるようにしている。たいていの場合、「難しい道」と「得るものが多い道」は一致するが、そうではない場合もある。それは自分が今いる場所で、まだ何かをやり遂げたとは言えない場合だ。
僕はサッカーを通じて、いろいろな経験をさせてもらった。今自分が言えるのは、挑戦し続け、その場その場で全力でもがき続けると、人間は変われるということだ。
あとがき
本の題名にもあるように、僕がなぜこのように「心を整える」ことを重視しているのかというと、僕自身、自分が未熟で弱い人間だと認識しているからです。僕の周囲には、直感重視で心の整理整頓なんていらないよという人でも(僕にはそう見えるだけなのかもしれませんが)、素晴らしい結果を残してきた人、カッコ良く生きている人も沢山います。でも僕にはそれができないということが一番分かっているので、心の準備に神経と時間を費やします。