「だから僕たちは、組織を変えていける」(クロスメディア・マーケティング)(齊藤徹著)
1:時代は変わった。組織はどうか?
2:これからの組織は、「統制」から「自走」へ
3:リーダーは、強がりの仮面を外そう
4:チームを動かす、北極星を見つけよう
5:アメとムチを捨て、好奇心を解き放とう
6:たったひとりから、影響の輪は広がる
「十年一昔」が今は「一年一昔」と思うほどに、社会の変化が激しい今。指数関数的に変化し続けている世の中に対し、多くの「組織」はリニア的にしか変化できない。リニア的に変化できていればまだましな方で、全く変化できないまま現状に甘んじ続ける「組織」もまた多い。
指数関数的な世の中の変化に対応すべく挑戦し続けられる組織か。それとも、これまでの延長線上でリニア的な変化しかできない組織か、あるいは、全く変化できない組織か。その差は、時間が経てば経つほど、取り返しのつかない大きな差になって、跳ね返ってくる。
変化し続けていくには?
組織の現状を分析し、未来を予測する。そして、組織トップリーダーはもとより、組織を構成するメンバー各々が変化し続けることを拒まず、恐れず、挑戦し続けていくこと。ただ実際は、このような環境をつくり、意識を育み、行動できるプロセスに乗せていくのはとても難しい。これは、会社経営における永遠の課題だが、デジタルやソーシャルメディアが中心軸となる今の時代ほど、誰もがその永遠の課題に真剣勝負で積極果敢に挑戦していかなければならない時代はなかったかもしれない。
「組織をよくしたい」
「どんな時代をも生き抜いていける組織をつくりたい」
「変化し続けられる組織をつくりたい」
しかし、まずは、この「・・・したい」という逸る気持ちを抑え、
「良い組織とは?」
「生き抜くとは?」
「変化とは?」
について、考えてみること。変化が激しい時代。だからこそ、急ぎ過ぎず、哲学的に本質的に物事の根源に立ち返って考えること。矛盾しているかもしれないけれど、それが近道。
ソーシャルメディアの登場により、正しく物事を考えられる組織かどうか、スジが通っている組織かどうか、軸がブレていない組織かどうか、一貫性ある組織かどうか、、、相手からじっくり眺められ、厳しくチェックされる時代。
そのような時代だからこそ、組織のトップリーダーも組織を構成するメンバー各々も哲学的に考え、本質的に思考できることの重要性。そのような思考が当たり前のようにできる組織内の環境づくりや、そのような思考ができるメンバーが適切に評価される組織文化をつくること。
「あなたは組織を変えていけますか?」
という質問に対し、
「はい。私は組織を変えていける自信があります。」
と、今の時点では言い切れないのは悔しい。しかし、今の組織のどこに問題や課題があり、それに対する対応策の効果や結果は想像できる。
ゆえに、「近い将来、組織は変わっていると思います」と自信をもって言える。私1人だけではなく、組織の構成メンバー各々が自信をもってそう言える会社にしたい、と強く思う。
でなければ、この変化の激しい時代を健全に生き抜いていけない。
では、そのためには?
「組織を変えていく」ための本質的なエッセンスを理解し、実践を重ねていくこと。その細かな作業の変化の先に、次世代が目指すべき組織のあり方が見えてくるだろうと思います。
この書籍からも、目指すべき組織の本質を考える上でのヒントをもらえたと思います。