筆記試験の合格発表から約1か月が経ち、口述試験まで残り約1か月となりました。ちょうど中間地点となる今、これまでの準備を振り返ってみたいと思います。
この1か月、試験勉強と並行して取り組んできたのが、自分用の学習アプリづくりです。
人生初めてのアプリ制作。プログラミング初心者の私が、自分で使うアプリを作ることになるとは、少し前までは考えてもいませんでした。
きっかけは、試験勉強をしながら「こんなふうに練習できたら便利なのに」と思ったこと。AIに相談したところから、少しずつ形になっていきました。
この1か月、勉強と修正を並行して進め、アプリはほぼ完成しました。ただ、作った機能の多くは、まだ十分に使えていません。
今回は、制作の経緯と、今取り組んでいる練習、これからの使い方について書いてみます。
読めることと、話せることの違い
口述試験の準備では、富士山、桜、祭り、京都など、頻出テーマを中心に30テーマを選び、教材をまとめています。
各テーマの英文に加え、重要単語や想定質問、関連する話題、自分の経験も整理できるようにしました。テーマを個別に覚えるだけでなく、つながりを持たせることで、思い出しやすく、話を広げやすくしたいと考えています。
ただ、英文を読んでいるときには「これならわかる」「話せそう」と思っても、隠して口に出そうとすると、次の言葉が出てこないことがあります。
知識として理解していることと、その場で英語にして話せることの間には、距離があります。
英文を読む。音声を聞く。手がかりを見ながら思い出す。そして、何も見ずに話してみる。
そんな練習をスマートフォンで手軽にできる、自分用の道具が欲しくなりました。
AIと相談しながら、初めてのアプリづくり
今回は、ChatGPTとClaudeという2つのAIを使っています。
ChatGPTとは、これまで試験対策について相談してきたので、私の学習状況や、どの程度の英文なら話せそうかという方針を共有しています。そこで、まず「どう勉強したいか」を相談し、アプリへの希望を具体的な指示文に整理してもらいました。
その指示をClaudeに渡して、アプリを形にしてもらいます。勉強に使って気になったところや、追加したい機能をまたChatGPTと整理し、Claudeに修正を依頼する。この流れで進めています。
2つのAIを使うのは、それぞれに役割を持たせると、自分が考えやすいからです。相談しながら希望を整理することと、画面や機能として形にすることを分けると、プログラミング初心者の私でも進めやすく感じました。
最初に、テーマのボタンを押すと英文が開く画面ができたときは驚きました。自分が言葉で伝えた希望が、そのまま形になっている。実際に動かしてみると、感動もありました。
私がするのは、「こんな練習がしたい」「ここを変えてほしい」と日本語で伝えることです。作ってもらったものを使い、気づいたことを伝えて直してもらう。その繰り返しで、少しずつ使いやすくしていきました。
勉強しながら、アプリも育てる
最初は少数のテーマで試作品を作り、その段階から勉強に使い始めました。
画面はよくできていましたが、サンプルの英文が、私が覚えて話すには少し難しい。そこで、短い文と、よく使う表現を中心に直してもらいました。
本番では、2分以内で説明する必要があります。考える間や言い直しが入ることも想定し、英文は約1分30秒で話せる分量に調整してもらいました。
勉強を進めながら、これから必要になりそうな練習も考えます。
「英文を隠して、話の流れだけ確認したい」
「音声を聞いて、繰り返し練習したい」
「覚えられていない言葉だけ、確かめたい」
こうした希望を一つずつ機能にしてもらいました。実際に使って調整したものもあれば、これから使うために用意したものもあります。
この1か月は、英文を読んだり聞いたりしながら、今の自分と、この先の練習に合う教材とアプリを育ててきた感覚です。

今は、音声を聞いて声に出す練習が中心
現在は、英文の意味を確認し、音声を聞きながら声に出す練習を中心にしています。
自分が聞きやすい声を選び、速さも調整できます。繰り返し聞きながら、発音や話すリズムを確認しています。
特に取り組んでいるのは、音声から少し遅れて同じ英文を声に出す「シャドーイング」です。
英文を見ればわかる内容でも、音声についていこうとすると、口がうまく動かないところがあります。まずは繰り返し声に出し、使う言葉や表現に慣れていきたいと思っています。
今はまだ、この練習が中心です。用意した機能を一通り使いこなしているわけではなく、むしろ、これから活用する部分が大半です。
思い出して話すための機能も準備
次の段階として、日本語の短いキーワードだけを見て、自分で英語を話す練習を考えています。
そのために、話の流れを確認できる画面を作りました。英文の一部を空欄にして、言葉を思い出す機能も付けています。「見ればわかる」から「自分で言える」へ進むために使う予定です。
重要単語を復習する機能も用意しました。テーマごとの単語に加え、手元のメモも追加できる、自分用の単語帳です。
想定質問への受け答えも、これからです。まず自分で答えてから回答例を確認し、質問に合った内容を短い英語で伝える練習をしていきたいと考えています。
機能は揃ってきましたが、実際にどこが役立ち、どこに調整が必要なのかは、これから使いながら確かめていくことになります。
テーマをつなぎ、自分の経験も加える
一つのテーマから、別の話題へつなげるための参考情報もまとめています。
例えば、日本酒なら和食や祭り、地域の観光へ。京都なら寺社や歴史、季節の楽しみ方へ。関連する内容を整理しておくことで、質問されたときに話を広げる手がかりにしたいと思っています。
また、自分が訪れた場所や体験したことも、参考メモとして残せるようにしました。
家族で出かけた場所、そのときに見たもの、印象に残ったこと。自分の記憶と結びつけることで、説明も思い出しやすくなるのではないかと考えています。
準備したことを全部話すのではなく、その場のテーマや質問に合う部分を取り出して使えるようになることが目標です。
このあたりも、これからの練習で活用していきたい部分です。
残り1か月は、アウトプットを中心に
この1か月、勉強と修正を重ねて、アプリはほぼ完成しました。
自分が使う道具を、自分の希望に合わせて作れる。しかも、日本語でAIと相談しながら形にできる。今回、その面白さを実感しました。
そして、試験まで残り約1か月。
これからはシャドーイングに加え、英文を見ずに話す、質問に答える、時間を計って通しで説明するといった、アウトプットの練習を中心にしていきます。
逐次通訳や実務の質疑応答を練習するアプリも作りました。そちらについては、また機会があればご紹介したいと思います。
道具は整ってきました。あとは、それを使って自分がどこまで話せるようになるか。
まだ使えていない機能も活用しながら、本番に向けて練習を進めていきます。
最後に、少し言い訳を
振り返れば、筆記試験を受けた直後から口述試験の準備を始めておけばよかったのですが、「合格」の文字を見て、ようやく腰が上がりました。結果がわからないうちは、なかなか本気になれない。人間、そんなもの……ということにして、自分を納得させておきますw。
ここまで教材とアプリを揃えておけば、たとえ今年うまくいかなくても、来年こそは合格できるのでは。そんな妙な安心感も出てきました。
とはいえ、来年の自分を助けるために作ったわけではないので、まずは今年の合格を目指して、残り1か月、しっかり口を動かしていきます。
【2026年度全国通訳案内士 試験スケジュール】
願書受付:2026年6月1日(月)~7月9日(木)
筆記試験:2026年8月16日(日)
筆記試験合格発表:2026年9月25日(金)
口述試験:2026年11月29日(日)
最終合格発表:2027年1月22日(金)
*最新の試験概要は日本政府観光局のサイト参照。
◇弊社事業と全国通訳案内士◇
ここ数年、弊社でもホテルを開発・所有したり、コンドミニアムを運営するなど、インバウンド関連事業部門の拡充を図ってきました。さらに東京の浅草では、2027年春開業を目指し新たなコンドミニアム開発にも着手しました。今後もインバウンド関連事業の割合が大きくなっていきます。全国通訳案内士試験の勉強を通じ、観光白書を読んだり、外国文化・宗教・習慣などを知ったり、日本文化を英語で紹介する機会が増えることは、弊社のインバウンド事業の戦略を考える上でも重要な視点を与えてくれると考えています。
