「生き残る技術」野村克也著 

生き残る技術 野村克也著

「生き残る技術」(竹書房)野村克也著 2020年

第1章 「生き残る」ことの意味

第2章 私が生き残れた理由

第3章 生き残るための進化

第4章 結果を出し続ける条件

第5章 生き残るための自己管理術

 

野村克也氏が逝去してから約2か月。私の心は、まだノムさんロスが続いています。

1年間は喪に服すと決め、これまで読んだ著書を読みかえしたり、まだ読んだことのなかった著書を購入して読んでいます。この間、新型コロナウイルス感染症が全世界的に拡大し、日本においても緊急事態宣言が発令されました。私は自宅で静かに自粛し、読書の時間を増やしています。自ずと野村克也氏と向き合う時間も増えています。

私は、組織やリーダー、人材育成について他の経営者やコンサルタントが書く本はあまり読みません。読んでも頭にすっと入ってこないのです。その一方で、野村克也氏の言葉や文章は心に響いてくる。

勝っても、負けても、その原因、理由を探り、次の対応策を考えておく。これが勝負の世界で生きていく上で、とても大切な生き残りの術なのである。

流れをつかみ、巡ってきたチャンスをものにしたいのであれば、まずは気配り、目配りができるようになるといいと思う。何事も小さなことの積み重ねが大事なのである。

プロ野球で長く生き残った人、誰もが認める結果を残した人というのは「心」と「信」の両方を併せ持っている。

プロ野球選手たるもの、高校球児たち以上に一生懸命プレーし、レベルの高い戦いを見せてファンを喜ばせなければならない。そのためにも、試合中だけでなく、試合前、試合後、さらには普段の生活態度といったものも含め、プロ野球選手は誰が見ても恥ずかしくない行動をしていかなければならないし、その責任があるのである。

川上さんは長嶋や王といった球界を代表するプレーヤーたちに「人としてどうあるべきか?」「自分たちの社会の中での役割とは?」といったものを説いていたのである。

プレーヤーである前に、ひとりの社会人として、ひとりの人間としてどう生きるべきか?」自分自身に常にそう問いかけ続けていくことの重要性を、川上さんは私たちに教えてくれている。

『自分は何のために生きているのか』を考えていくと、野球選手である前に、ひとりの人間としてこの社会の中でどうあるべきか、ということも考えられるようになる。

では、私自身が『何のために生きているのですか?』と問いかけられたら『世のため、人のため』と答えるだろう。

周囲の人たちに感謝しながら、世のため人のために生きる。それが私が生きている理由である。

大好きだった野球を通じ、チームってのは、人を育てるってのは、人間ってのは、人生ってのはこんな感じだよ、とカッコつけずに優しく厳しく教えてくれます。だからノムさんの言葉が私の心に響いてくるんだろうな、と思っています。

私はあとどれくらい生きられるのか、それは分からない。だが、この生ある限り、私自身も「人間」そして「人生」についての考察を続け、人生を少しでもいい方向に変えていきたいと思っている。

野村克也氏はこの世にいない。でも、ノムさんが遺してくれた膨大な数の著書を読み重ねながら、ノムさんが伝えようとした「人間」や「人生」のことを知りたいと思います。

重ね重ね、心よりご冥福をお祈りします。

 

追伸。

第3章の中に「新庄剛志に見る長所の生かし方」という節があります。その中で、野村克也氏は「私は新庄と触れ合ったことで選手を生かすも殺すも監督の腕次第だということを痛感した。自分の考え方を押しつけることなく、その選手に合わせて指導法を変えていく。そういった臨機応変さがリーダーには求めらえることを、私は新庄と触れ合うことで学んだのである」と書いています。

そして、野村克也逝去を知った日、新庄剛志氏はYouTubeチャンネルで野村監督との思い出について語っています。とてもあたたかくて心のこもった動画です。何度も見返して、気持ちほっこりしています。そして、涙もホロリ。。