第1章:意識改革で組織は変わる
第2章:管理、指導は経験がベースとなる
第3章:指揮官の最初の仕事は戦力分析にある
第4章:才能は学から生まれる
第5章:中心なき組織は機能しない
第6章:組織はリーダーの力量以上には伸びない
第7指:指揮官の重要な仕事は人づくりである
第8章:人間学のない者に指導者の資格なし
とても美しい章立て。
この著書の全てはこの章立てが語っています。
Kindleの履歴を調べてみると4年前の2016年に購入して読んでいました。そしてこの度、深い哀悼の思いで再びKindleで読んでみました。
4年前の私がマーカーしている箇所と照らし合わせながら読むと、
当時の自分は、著書のこの部分に特に意識を向けていたのか
著書のこの部分は当時の自分と今の自分とで着目するところは同じだな
著書のこの部分は今の自分でしか分からないだろうな
ということを考えます。過去の書籍を再読することは、自分再発見のプロセス。
人生という2文字から私は次の4つの言葉を連想する。
「人として生まれる」(運命)
「人として生きる」(責任と使命)
「人を生かす」(仕事、チーム力)
「人を生む」(繁栄、育成、継続)
人間とは人の間と書くが、そもそも人と人の間にいるのが人間であり、そのためにはいかに人間関係を円滑に生きていくかということが、人生では大きな比重を占める。
ところが、職人気質が多いプロ野球選手は、この点がたいへん無頓着である。自分ひとりでうまくなった、自分で勝てたと錯覚するが、人は全然そう思ってくれないということが往々にしてある。謙虚さ、素直さが要求されるのはそのためだ。自分が思うほど人はおもっていないということをどうやって選手にわからせるか。評価は人が下した評価こそが正しいのだ。
ただ若いときから野球一筋の人生を送ってきたプロ野球選手は、ある意味たいへん純粋だから、こういう話をするとなるほどと思って聞いてくれる。そこで、人生観とか人間学とか、社会学、組織学、そういったものをひととおり、知っておいた方がいいと話していく。
私は残り少ない人生を、人間とは、人生とは、という問いにこだわり続けて生きたい。
人間・組織・人生・心のあり方を「野球」で語る野村克也氏。
野球だけではなく、私が生きる糧としている「仕事」にも通じる原理原則。
私が設定している人生の大きな目的の一つは「人間を知る」ということ。
それは決して簡単な道のりではなく。
ゆえに、私の「人間を知る」修行もまだまだ続いていきます。
野村克也氏のご冥福を心よりお祈りします。