★シネマトゥデイ「あらすじ」抜粋:
レア(クロエ・ジュアネ)、アドリアン(ユーゴ・デシウ)、テオ(ルーカス・ペリシエ)の三きょうだいは、祖父のポール(ジャン・レノ)との初対面を果たそうと南フランスのプロヴァンスへ向かう。面倒な性格の彼に威圧されてしまう三人だったが、聴覚障害を抱えるテオがポールになついたのを機に、レアとアドリアンも彼に親しみを覚えるようになっていく。ある日、アドリアンが軽い気持ちでSNSにポールを登録してしまい……。
★感想:
映画の冒頭、疎遠だった孫たちを空港で出迎えるジャン・レノの苦い顔を見た瞬間、この映画のエンディングが何となく見えてくる。エンディングが見える映画は、そこにいたるまでのプロセスを逆算的に想像しながら鑑賞するのも楽しみ方の1つかも。
世代の異なる家族のぶつかり合いの中に、共通するものが見えてくる。既に大人たちが通ってきた道は、今子供たちが通ろうとしているその道と同じであること。色形は違うかもしれないけれど「道」という意味では。
そのことに気づいた時、心と心の距離感が狭まっていく。美しく、牧歌的で柔らかいプロヴァンスの風景がその歩みを、暖かく、優しいものにする。
映画のあちこちに出てくる懐かしい名前。
エイミー・ワインハウス、プリティ・ウーマン、サウンド・オブ・サイレンス、セリーヌ・ディオン、ジョン・レノン、ジェニス・ジョップリン、デミ・ムーア、イージー・ライダー、ウッドストック、天国への扉、ジミ・ヘンドリックス、サンタナ、、、、アンナ・ガリエナだけに「髪結いの亭主」を連想させるシーンもあったりして。
そうだ、自分もその「道」を辿ってきことを思い出し、懐かしくなる。
プロヴァンスと言えば、、、大学の頃、友人と車で旅したことを思い出す。今も誰かがプロヴァンスを旅している。かつての自分が通った同じ道を辿って。
プロヴァンスまでのんびりゆく電車旅の冒頭のシーン。印象的な今風のエンディング。
最初から最後までプロヴァンスの休日。
懐かしく、心あたたまる、とてもいい映画でした。